Writingsコラム

気圧と健康の関係

気圧が低いせいで、雨が降る日は頭が痛い、だるい等の不調を感じる人は案外多いものです。光量が少なくて憂鬱になる、雨で外出が億劫だなど、気分的な問題だとされがちですが、実は気圧の変化はかなり体調に影響しているようです。

まずは低気圧や高気圧というのはどういうものなのか、おさらいしてみましょう。実は低気圧や高気圧は具体的な数値で判断できません。周囲の空気よりも気圧が低い、高いで区別されます。英語で高気圧はHigh pressure、低気圧はLow pressure。その名の通り、空気の圧力が高いか低いかの違いです。

気圧の単位はヘクトパスカル(hps)で、天気図で線として表現される等圧線は、同じ気圧を繋いだものです。日本周辺の平均気圧は1013hps。普段は天気予報では報じられませんが、台風の時に注目が集まります。台風の数値は950hpsくらいで、勢力が強くなると数値が下がり、930hpsになるとかなり強力になります。

雨を降らせる前線を伴う温帯低気圧、強い風雨を引き起こす熱帯低気圧(台風)、これらが近づいてくると気圧はどんどん下がってきます。低気圧が引き起こす頭痛やだるさ、めまいなどの症状は低気圧不調と呼ばれていますが、高気圧の場合も症状が現れる場合があります。これは気圧の変化で、必要以上に体内に水分が溜まってしまうことが原因のようです。

気圧の変化を感じ取っているのは、耳の奥にある内耳(ないじ)という器官。内耳は自律神経に気圧の変化を伝えます。気圧が下がると体を包む空気の圧力が減り、血管が膨張します。自律神経がきちんと働いていると、血管を収縮させる交感神経が働き、元に戻るので不調は現れません。高気圧の場合は逆で、血管が収縮するので副交感神経が作用して血管を膨張させます。

基本的に自律神経は、活動している時は交感神経が働き、リラックスすると副交感神経が働きます。ストレスや生活の乱れ、運動不足等で自律神経の働きが悪くなると、血管収縮がうまくいかなくなります。また、内耳の働きが良くないと、乗り物酔いをしやすかったり、偏頭痛が起きたりします。これらのことから、気圧変化で起こる体調不良は、自律神経の乱れと内耳に原因があると言われています。

対策としては、適度な運動と、バランスの良い食事や規則正しい生活、シャワーだけではなく湯船に浸かって血行を良くし、体温を高めにしていくと症状が軽減していくようです。耳をマッサージすることでも症状が軽くなるとか。気象情報アプリを使って気圧の変化を事前に察知し、頭痛薬を用意するなどの対策をとる人もいますが、長引いたり、症状が強く出る場合は、ぜひ医師に相談してみてください。

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