Writingsコラム

薬味で食欲を取り戻す!

暑さで食欲が落ちると、そうめんや冷奴など、さっぱりしたものしか喉を通らない人も多いでしょう。シンプルな食べ物は、そのまま食べると味気なく感じますが、薬味があると食欲が湧きます。実際、薬味には健康効果もあるとか。代表的な薬味について、詳しく見ていきましょう。

薬味は料理に添えられる、ネギ、大葉、ミョウガなど香味野菜や、ワサビやトウガラシなどの香辛料の総称です。香りや苦味の強い葉や若芽など、そのままでは大量に食べることができないものを少量使うことで、料理の風味を引き立て、食欲を増し、消化を促進してくれます。漢方医の薬箱にあるものと重なるものが多かったので、「薬味」と言われたという説もあります。

代表的な薬味の一つ、大葉は年中見かけるものですが、旬は6〜9月ごろ。抗酸化作用のあるベータカロテン、皮膚や粘膜を健康に保つビタミンB2、骨や歯を作るカルシウムが含まれています。食物繊維も豊富で、消化を助ける働きもあります。

ミョウガの旬は6〜10月です。独特の香りはアルファピネンという精油成分で、胃液の分泌を促す効果が。紫の部分にはアントシアニンが含まれていて、活性酸素の働きを抑制してくれます。むくみを防いでくれるカリウムは、水に流出しやすくなります。生のミョウガを刻んで薬味として食べることで、含まれているカリウムの流出を防ぐことができます。

ショウガは基本的に体を温めてくれる効果がありますが、生で食べると体を冷やしてくれます。ただし生は刺激が強いので、少量にとどめたほうがよく、薬味として食べるのが一番いい方法です。防腐、強壮、利尿効果に優れているショウガは安価に手に入れられるスパイスとして世界中で愛されています。

薬味で忘れてならないのが、ネギ。11〜2月の冬が旬ですが、品種改良や作付けの季節の調整などで一年中手に入ります。その強い香りの元は硫化アリル。殺菌、疲労回復、血流増進、免疫力向上などの効果があります。関西方面では、早どりした細い小ネギや九条ネギなど、ネギの緑の部分を使い、関東ではネギの白い部分を薬味として使うという傾向があるようです。

大根おろしは薬味としての歴史が長いようで、江戸時代からうどんに使われていたとか。ビタミンCや消化を促すジアスターゼが含まれていますが、加熱すると失われるので、すりおろして薬味として食べるのは大正解。胃もたれも防止してくれるため、天ぷらや焼き魚に添える使い方も間違いなしです。

薬味は料理の主役ではありませんが、主役を上手に引き立ててくれる名脇役のような存在です。面倒であれば、コンビニやスーパーでも薬味のパックが売っていますので、もっと気軽に取り入れていきましょう。

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