Writingsコラム

ゲーミフィケーションで視点を変えてみる

企業のサービス提供や、マーケティングに活用されているゲーミフィケーション。ポイントを貯める仕組みであったり、健康管理に利用したりと、ゲームの要素を取り入れたシステムは、すっかり私たちの生活にお馴染みとなりました。基本的なことをおさらいしてみましょう。

ゲーミフィケーション(gamification)は、ゲーム化という訳語で使われる場合もあります。ゲーム本来の目的以外のことで、アイテムの獲得やポイントアップなど、ゲームの要素を取り入れ、ゲームのように夢中にさせていく構造のことです。

ゲームは、目的、クエスト(課題)、報酬(リワード)、可視化、交流という5つの要素で構成されていると言われています。目的はゴールのことで、クエストは冒険などの課題です。コツコツ積み重ねていくことで報酬が得られ、それが可視化された形でわかる。そしてオンラインゲームのように、世界中の知らない人とも交流できる。これらがゲームに夢中になる要素で、いかに興味を抱いてもらうかが、ゲーム制作者の腕の見せ所です。

ゲーミフィケーションは2010年頃から注目され始め、現在では企業研修や学習などにも使われています。また、「ドラゴンクエスト」などの有名なゲームを、ビジネスや学習などの分野で分析している人もたくさんいます。制作者の一員が人生をゲーミフィケーション化することを勧める書籍を出していたり、基礎的な学習はスライムを倒していく地道な作業に似ているなどの例えがあったり、旅人や盗賊といった作品内のキャラクターをエンジニアがスキルマップ化してみたりと、興味深い取り組みが多数なされています。

目標を定義する。何を行い、どう測定するか。達成し、成長しているという満足感はどういったプロセスで得られるか。ゲームを分析していくと、あらゆることに応用することができるのだという気づきが得られるようです。悩んでいることもゲーミフィケーションの視点で再構築してみると、考え方がポジティブに変わってくるようです。

そこで提案ですが、年が改まるという機会で、自分の仕事をゲーミフィケーションで捉え直してみてはいかがでしょうか。先へ進めるための地道な学習や準備は、ゲームを有利に進めるためのポイント稼ぎだと考えていく。チームで行う仕事の場合は、メンバーの役割をキャラクター化して客観化する。ルーティーン業務も、ゲームをするような楽しみを感じるように設計し直してみる。ゲーム製作者の視点で現状を考え直してみると、予想外の発見があるかもしれません。

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